■はじめに |
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急性膵炎は急性腹症の一つであり、重症化した場合の死亡率が高い疾患である。重症急性膵炎の予後を改善するためには、わが国にお ける本疾患の現状を正確に把握し、診療指針を示し、有効な診療体系を形成することが大切である。厚生労働省難治性疾患克服研究事業難治性膵疾患に関する調 査研究班では、ほぼ 5年ごとに全国調査を行ってきたが、現在、2007年のわが国における疫学データを収集・解析中である。また、同研究班では 2008年 10月に急性膵炎の診断基準および重症度判定基準を改訂した。急性膵炎診療には正確な診断と適切な初期治療をできるだけ早く開始することが重要である。診 断基準と重症度判定基準の改訂は、これらを現在の治療に、より即したものに修正し、いつでも、簡便に重症度判定ができるようにするために行われた。重症度 判定基準の改訂により、搬送基準などに一部変更が必要となり、2009年 7月には「急性膵炎診療ガイドライン」を、日本腹部救急医学会、日本膵臓学会、日本肝胆膵外科学会、日本医学放射線学会と厚生労働省難治性膵疾患に関する 調査研究班の共同で改訂した。このような動向から、難病情報センターの「重症急性膵炎―医療従事者向け説明」を今回、一部改訂した。従来の内容に最新の情 報を加えたが、図・表に示すデータは 2003年の全国調査結果によるもので、旧診断基準・旧重症度判定基準に基づいた解釈である点をご了承いただきたい。 |
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■概念・定義 |
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急性膵炎とは、膵臓の内部および周囲に急性病変を生じた病態であり、重症度によって軽症と重症に分けられる。急性膵炎は、致死的経過をとることがある重症例を除き、一般的には可逆性であり、臨床的回復後約 6 ヵ月すると、膵臓は機能的・形態的にほぼ旧に復する。 |
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■疫学 |
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厚生労働省難治性膵疾患に関する調査研究班による全国調査の結果、2003年 1年間の急性膵炎推計受療患者数は次の通りである。 |
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表 1. 2003年 1年間の急性膵炎推計受療患者数
全国調査で集計した急性膵炎 1,779例中、男性は 1,216例、女性は 563例で、男性:女性=2.2 : 1であった。男性は 50歳台が最も多く、平均年齢は 55.0±17.0歳であり、女性は 70歳台が最も多いが、平均年齢は 61.4±19.4歳であった。 |
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図 1. 急性膵炎による推定受療患者数の推移 |
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■成因 |
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表 2. 2003年 1年間に発症した急性膵炎患者の全国調査で集計された
最も頻度の高い成因は、男性ではアルコール性、女性では胆石性であった。そのほか、膵胆管合流異常 (1.3%) 、高脂血症 (1.2%) 、膵腫瘍 (1.2%) や薬剤性 (0.6%) による急性膵炎がある。 |
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図2. 平成 14年度特定疾患医療費申請患者(重症急性膵炎)の成因別年齢分布:アルコール性急性膵炎は 40~59歳に、胆石性急性膵炎は 60~69歳に、特発性は 70~79歳に発症のピークが認められる。 |
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■症状 |
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表3. 2003年 1年間に発症した急性膵炎患者の全国調査で集計された
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急性膵炎の初発症状として腹痛が最も多いが、腹痛の程度は個人差が大きく、疼痛に対する感受性が低い高齢者や合併症を有する重症急性膵炎では無痛性急性膵炎もある。また、腹痛の程度と膵炎の重症度とは相関しない。 上腹部痛の次に多いのが嘔気・嘔吐である。嘔吐は激しく何時間も続くことがあるが、嘔吐によって腹痛が軽減することはない。 腸管麻痺が加わると腹部膨隆や鼓腸が観察され、イレウス症状を呈する。重症例で後腹膜腔や腹腔内へ出血すると、紫色斑が側腹部(Grey-Turner’s sign)や臍周囲(Cullen’s sign) の皮膚に認められることがある。 他覚症状の特徴としては、腹痛が激しく、ショックなど全身状態が不良なわりに腹部所見が乏しく、筋性防御などの腹膜刺激症状も上腹部に限局することが多い。 重症急性膵炎では、血管透過性が亢進して体液が third space へ移行し、有効循環血漿量が減少しショック徴候を認めることが多い。消化管出血、腹腔内出血等の出血傾向を呈し、DIC (disseminated intravascular coagulation播種性血管内凝固症候群)へと移行する。さらに、膵から逸脱したホスホリパーゼA2 (PLA2)により肺胞毛細血管が傷害され、ARDS(acute respiratory distress syndrome 急性呼吸促迫症候群)や呼吸不全が生じる。 急性膵炎は本来無菌的に発症することから、白血球増多を伴う 38℃以上の発熱を認めた場合には、壊死組織に感染が合併した可能性を考えなければならない。壊死部に感染が成立すると感染性膵壊死となり、敗血症を惹起する。 |
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■診断 |
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急性膵炎の診療においては、早期に診断し早期に治療を開始することが重要である。腹痛を訴え受診した患者に占める急性膵炎患者の 頻度は 4.9 %である。また、腹痛のない、あるいは無症状の急性膵炎患者がいることにも留意する。消化器症状のある症例では、鑑別診断として急性膵炎を念頭におくべき である。問診、理学所見、リパーゼ、アミラーゼなどの血液検査、腹部単純レントゲン撮影、腹部超音波検査などの画像所見から、急性膵炎の診断を迅速に行 う。 |
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1)急性膵炎臨床診断基準 (2008年改訂) (表4) |
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上記 3項目中 2項目以上を満たし、他の膵疾患および急性腹症を除外したものを急性膵炎と診断する。ただし、慢性膵炎の急性発症は急性膵炎に含める。膵酵素は膵特異性の高いもの(膵アミラーゼ、リパーゼなど)を測定することが望ましい。 |
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2)急性膵炎の重症度判定基準 (2008年改訂) (表5) |
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A.予後因子 |
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・原則として発症後 48時間以内に判定することとし、以下の各項目を各 1点として、合計したものを予後因子の点数とする。 ・予後因子が3点以上を重症、 2点以下を軽症とする。 |
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B.造影CT Grade |
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・原則として発症後48時間以内に判定する。 ・炎症の膵外進展度と、膵の造影不良域のスコアが、合計1点以下をGrade 1、2点をGrade 2、3点以上をGrade 3とする。 ・造影CT Grade 2以上を重症、Grade 1以下を軽症とする。 |
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1.炎症の膵外進展度 1) 前腎傍腔 0点 2) 結腸間膜根部 1点 3) 腎下極以遠 2点 2.膵の造影不良域: 膵を便宜的に膵頭部、膵体部、膵尾部の3つの区域に分け、 1) 各区域に限局している場合、または膵の周辺のみの場合 0点 2) 2つの区域にかかる場合 1点 3) 2つの区域全体をしめる、またはそれ以上の場合 2点 |
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急性膵炎重症度判定
・来院時軽症でも急激に重篤化する場合がある(特に発症後 48時間以内)。 ・急性膵炎の膵不染域の判定や、合併症の診断には造影CTが必要である。しかし、造影に伴う膵炎や腎機能の増悪、アレルギー反応等の可能性に留意する必要がある。 ・重症度判定基準の予後因子スコア 3点以上で重症と判定された症例は、重症急性膵炎に対応可能な施設に搬送する。初期に予後因子スコア 2点以下であっても、経時的な重症度判定を行い、基準を満たせば搬送を考慮する。 |
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■致死率 |
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1) 急性膵炎の致死率 (表6) |
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表6. 2003年 1年間に発症した急性膵炎患者の全国調査で集計された急性膵炎 1,768例の重症度スコアと致死率 2003年発症の急性膵炎 1,768例の致死率は軽症急性膵炎では 0.1%、中等症急性膵炎では 0.7%、重症急性膵炎では 9.0%で、急性膵炎全体では 2.9%であった。重症急性膵炎の救死率が著明に改善してきている(図3)。しかし、重症例の重症度スコアが高値であるほど致死率は高く、最重症では致死 率が 60%にも達している(表6)。 重症急性膵炎の致死率を年齢別にみると 30歳未満の致死率は0%で、40歳以下では約 6%であったが、70代以上では 14%であり、加齢と共に致死率が上昇した。 成因別では高脂血症(の致死率は 20%)、特発性(16.2%)、診断的ERCP(では 12.5%)と高い値を示したが、アルコール性では 5.2%と重症急性膵炎全体に比べて低値であった。。
図3. 重症急性膵炎致死率の推移 |
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■治療 |
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急性膵炎と診断した後は入院治療とする。急性膵炎例では血圧、脈拍数、呼吸数、体温、尿量などのモニタリングが必須であり、静脈 ラインの確保と十分な輸液、必要に応じた呼吸管理を行いながら、重症度判定、成因検索等を進める。重症度判定基準の予後因子スコア 3点以上で重症と判定された症例は、重症急性膵炎に対応可能な施設に搬送する。初期に予後因子スコア 2点以下であっても、経時的な重症度判定を行い、基準を満たせば搬送を考慮する。 |
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1) 基本的診療方針 |
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急性膵炎では常に重症化を念頭に置いて、最初の 2~3日間は全身的な集中管理と治療を実施する。入院当初、予後因子スコア 2点以下の症例でも、経過によっては重症化する可能性がある。 |
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(1) 鎮痛薬 |
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急性膵炎では高度な腹痛を生じ、それに伴い、呼吸循環機能に障害をきたすことがあるため、十分な除痛を行う。 軽度の疼痛では非ステロイド抗炎症薬 (NSAIDs)も使用できるが、重症例やプレショック時にはNSAIDsの使用は禁忌である。疼痛に対して使用する薬剤としては、 buprenorphine(レペタン®0.1~0.2 mg筋注または静注、または0.3mg/時間点滴静注)、pentazocine(ソセゴン®、ペンタジン®7.5~15 mg筋注または静注、または15~30 mg点滴静注)がある。これらの薬剤や麻薬は頻回に用いるとOddi括約筋を収縮させ、膵液の流出を障害することから硫酸アトロピンを併用する。 |
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(2) 輸液 |
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輸液の最も重要な目標は循環動態の安定、すなわち、血圧、脈拍(発症前と同程度)の維持と適正な尿量の確保である。個人の適切な循環血液量や血圧は尿量と密接に関連し、概ね 1ml/kg/時間が最低確保されるべき尿量と考える。 急性膵炎の初期輸液は細胞外液(アセテートリンゲルあるいはラクテートリンゲルなど)を中心に行う。健常成人は1日水分量として 1,500~2,000ml (30~40 ml/kg) が必要であり、急性膵炎時にはこの2~4倍量(60~160ml/kg)が必要とされる。 重症度は刻々変化するため、当初は軽症であっても十分な輸液を行い、注意深く経過観察を行う。最初の6時間程は特に大量の輸液 (1日必要量の約1/2~1/3)が必要である。約6時間後に血圧、脈拍、尿量など前述の指標を再評価し、その後の輸液計画をたてる。軽症例で循環動態が 安定し、尿量が維持されていると判断した場合は輸液投与量と速度を減量する。輸液速度や量が過剰であると、特に心肺腎機能低下患者や高齢者では肺水腫をき たす可能性があり、血圧、脈拍、尿量、中心静脈圧などを指標にして調節する。中心静脈圧 8~10cmH2O、時間尿量 50ml以上を目安に輸液量を調節する。重症の急性膵炎で、体重 60kgの患者では1日輸液量は約 3,600~9,600ml/日、6時間量約 1,200~4,800mlとなる。 2003年1年間に発症した急性膵炎の調査では、重症度別、輸液量別致死率が、旧重症度判定基準による重症Ⅰでは、輸液量によっ て致死率に差異は認められなかったが、重症Ⅱと最重症では、第1病日の輸液量が 3,000~5,000mlの場合の致死率が最も低かった(図4)。輸液量が多くても致死率が高かったのは、大量輸液を必要とするほど重症であった可能性 も考えられるが、大量輸液によって心肺不全を来した可能性もあり、年齢や体重を考慮し、血圧、脈拍、尿量、中心静脈圧などを指標にして輸液量を調節しなけ ればならないことを示している。 |
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図 4. 第1病日の急性膵炎重症度別、輸液量別致死率。重症Ⅱと最重症では、3,000~5,000ml輸液群の致死率が最も低い。 |
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(3) 抗菌薬 |
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重症例では早期から予防的に抗菌薬を使用する。使用する抗菌薬は、抗菌スペクトラムが広く、膵への移行の良いカルバペネム系の imipenem (チエナム®)、meropenem (メロペネム®)、ニューキノロン系のciprofloxacin (シプロキサン®)などの抗菌薬が望ましい。また、胆管炎の合併があれば、第2世代以降のセフェム系も推奨される。 |
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(4) 蛋白分解酵素阻害薬 |
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急性膵炎と診断された、あるいは、疑われた時点から蛋白分解酵素阻害薬を使用する。 急性膵炎の本態は膵酵素による自己消化であるが、炎症は膵にとどまらず、膵組織の傷害により過剰に産生された液性因子を介して全身に及ぶことがある。した がって、重症例では全身への炎症の波及と臓器障害の合併を阻止し、さらにはすでに合併している臓器障害を適切に治療することが重要である。異所性に活性化 された蛋白分解酵素活性の抑制と、血液凝固・血小板凝集を抑制し、DICや多臓器不全への進行を阻止する目的で蛋白分解酵素阻害薬を発症早期から大量(常 用量の2倍程度からDICの際に使用する量)に持続投与する。酵素阻害薬投与を膵炎発症後、早期に開始するほど有効性は高い。 |
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2)特殊治療 |
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(1) 蛋白分解酵素阻害薬・抗菌薬膵局所動注療法 |
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原理と方法:蛋白分解酵素阻害薬の肝における不活化を避け、膵壊死部に高濃度の蛋白分解酵素阻害薬と抗菌薬が到達するように、膵 壊死部を灌流する動脈(膵頭部の壊死に対しては総肝動脈または上腸間膜動脈、膵体尾部の壊死に対しては脾動脈)にカテーテルを留置して、蛋白分解酵素阻害 薬と抗菌薬を持続動注する。 |
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(2) 持続的血液濾過透析 |
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水分負荷が過剰であるものの利尿が十分得られない場合などの水分管理に適応となるが、サイトカインなどのケミカルメディエーターなどの除去にも有用との報告があり、尿量が十分あっても積極的に導入する施設もある。 実際、早期に導入した方が晩期に導入した場合よりも、ケミカルメディエーターの減少や呼吸機能の改善に有用という報告もある。 なお、現在のところ、重症急性膵炎の患者に対しては、概ね 8回を限度として保険適応とされる。 |
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(3)外科的治療 |
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現在世界的に急性膵炎の手術適応として合意が得られているのは感染性膵壊死を生じた場合のみである。膵膿瘍も感染性膵壊死とともに手術適応の一つであるが、その大部分が液状の膿汁貯留を本態とすることから、最近では経皮的または内視鏡的ドレナージが行われている。 |
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(4) 原因の除去 |
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十二指腸乳頭に嵌頓した胆石が膵炎の原因である場合や胆管炎合併例では、ただちに内視鏡的治療(乳頭切開、ドレナージなど)を行う。アルコール性であれば禁酒を厳守させる。薬物性の可能性が高ければ当該薬物の投与を中止する。 |
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(5) ERCP後膵炎の予防 |
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ERCP後膵炎高危険群(Sphincter of Oddi dysfunction確診もしくは疑診例、ERCP後膵炎の既往、カニュレーション困難例、バルーン拡張例、precut sphincterotomy施行例、乳頭切開例、膵管挿入(ブラシ細胞診)など)に対する予防的一時ステント留置は有用とされる。 |
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■転帰 |
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2003年の急性膵炎全国調査で2次調査票を回収出来た 1,779例中生存は 1,684例、死亡が 84例で、転院などで転帰が不明の症例が 11例であった。死亡 84例中、膵炎が原因で死亡した患者が 52例で、膵炎に関連のない死亡(急性膵炎治癒後あるいは悪性腫瘍による死亡)が 32例あり、急性膵炎全体の致死率は 2.9%で、重症 9.0%であった。 膵炎に関連した死因として多臓器不全が 26例で、膵炎に関連した死因の 50%を占めた。次いで、敗血症(17.3%)、心不全・循環不全(7.7%)、消化管出血・腹腔内出血(5.8%)、DIC(5.8%)であった。 転帰調査ができた 297例の社会復帰の状況では、入院前と同じ生活状況ができた患者は 86.5%であったが、軽い仕事に変更した患者が 3.0%、仕事ができなくなった患者が 10.5%もいた。 |
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表7. 重症急性膵炎患者の社会復帰の状況
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■公費負担制度 |
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厚生労働省の難病対策事業の一つとして、特定疾患治療研究事業、すなわち医療費の公費負担制度がある。本制度は、重篤あるいは稀 少性のある難病に対して、医療費の自己負担を軽減する事業で、重症急性膵炎はその対象疾患の一つである。患者またはその家族が「特定疾患医療受給者証交付 申請書」と「住民票」、さらに担当医師が記載した「臨床調査個人票」を添えて患者の居住地を管轄する保健所、あるいは県庁へ申請する(どちらへ申請するか は地域によって異なっている)。認可されると、原則として6ヶ月間(重症急性膵炎の状態が継続している場合には更新できる)の医療保険の自己負担分を、国 と都道府県とで折半して負担する。なお、届け出た日からの患者自己負担分の医療費が公費負担の対象となるため、申請を急いで行う必要がある。さらに、本制 度における重症急性膵炎の定義は厚生労働省の重症度診断基準(表5)によることに留意する必要がある。 |
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図5. 特定疾患医療受給者証申請と交付のながれ |
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診療ガイドライン |
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日本腹部救急医学会 |
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難治性膵疾患に関する調査研究班から |
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この疾患の実態を把握するために、平成19年に発症した急性膵炎症例に関する全国疫学調査を実施しております。ご協力の程お願い致します。 |
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重症急性膵炎 研究成果(pdf 36KB) |
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重症急性膵炎(公費対象)
じゅうしょうきゅうせいすいえん
| 研究班名 | 消化器系疾患調査研究班(難治性膵疾患) |
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| 情報更新日 | 平成21年10月1日 |












