■概念・定義 |
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劇症肝炎とは、肝炎ウイルス感染、薬物アレルギー、自己免疫性肝炎などが原因で、正常の肝臓に短期間で広汎な壊死が生じ、進行性の黄疸、出血傾向及び精神神経症状(肝性脳症)などの肝不全症状が出現する病態である。わが国では、「初発症状出現から8週以内にプロトロンビン時間が40%以下に低下し、昏睡Ⅱ度以上の肝性脳症を生じる肝炎」と定義され、この期間が10日以内の急性型と11日以降の亜急性型に分類される。 |
■疫学 |
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成人の劇症肝炎の年間発生数は1972年の調査では約3,700人と推定されたが、近年は減少傾向にあり、2005年の調査では約400人と推定されている。なお、厚生労働省の研究班の実施している全国調査では年間100例弱の症例が登録されており、1990年以降の年間発生数はほぼ一定と推定される。一方、LOHFの発生頻度は劇症肝炎の約1/10で、年間発生数は約50例と考えられている。 |
■病因 |
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ウイルス性は全体の45%を占めており、病型別では急性型の63%、亜急性型の30%、LOHFの32%を占めている。ウイルス性はB型が最も多く、急性感染例とキャリア例の比は約4:3であった。急性型では急性感染例が35%、亜急性型ではキャリア例が19%を占めており、B型の19%は免疫抑制・化学療法によるHBV再活性化肝炎であり、その半数が既往感染者からの発症(de novo B型肝炎)と考えられた。 |
■症状 |
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劇症肝炎では、肝性脳症を除くと特徴的な臨床症状はない。急性肝炎と同様に急性期には消化器症状(悪心、嘔吐、食思不振、心窩部不快感など)、発熱、全身倦怠感などを認める。一般に急性肝炎では黄疸が出現するとこれらの臨床症状は軽快することが多いが、劇症肝炎では強い臨床症状が持続することが多い。 |
■検査 |
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診断では肝性昏睡(II度以上)とプロトロンビン時間40%以下の両者が必須である。肝性昏睡発現時の肝機能検査では、急性型は亜急性型に比較して血清総ビリルビンの増加は軽度であり、血清トランスアミナーゼは高値を示す。プロトロンビン時間はいずれの病型では40%以下であるが、急性型でとくに著明に延長している。また、血清アルブミンは亜急性型で低値、血液アンモニアは急性型で高値を示す。 |
■治療 |
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劇症肝炎、LOHFの治療で最も重要なのは、成因に対する治療と肝庇護療法によって肝壊死の進展を阻止することである。このため1次医療機関と肝臓専門医の病診連携が重要で、急性肝炎重症型と診断された症例は、専門機関へ移送して可及的速やかに治療を開始すべきである。昏睡II度以上の肝性脳症を併発して劇症肝炎ないしLOHFと診断された場合は、血漿交換を中心とした人工肝補助療法を開始する。また、この時点で難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究班が作成した肝移植適応基準スコアリングを用いて初回の予後予測を行い、死亡と予測される場合は家族に脳死および生体肝移植に関する説明を行い、肝移植実施施設へ患者情報を提供するとともに脳死肝移植登録を行う。家族内にドナー候補が現れた場合は、内科的集学的治療と並行して生体肝移植に向けた準備を開始する。全身状態が安定している患者でも、経過中に肝移植適応基準スコアリングを用いて予後を再予測し、死亡と予測された場合に肝移植を実施する。 |
■予後 |
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急性肝不全の予後は病型に依存しており、内科的治療のみを実施した症例における救命率は急性型49%、亜急性型24%、LOHF 13%であった。成因との関連では、A型が特に良好であり、亜急性型を含めても57%が救命されている。一方、B型キャリア例と自己免疫性疑い例は、急性型、亜急性型ともに救命率が低く、その対策が急務となっている。なお、1998年以降は生体部分肝移植を実施する症例が増加しているため、これも含めた救命率は急性型54%、亜急性41%、LOHF 29%である。 |
難治性の肝疾患に関する調査研究班から |
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難治性の肝炎のうち劇症肝炎(公費対象)
なんちせいのかんえんのうちげきしょうかんえん
| 研究班名 | 消化器系疾患調査研究班(難治性の肝・胆道疾患) |
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| 情報更新日 | 平成23年8月28日 |





