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奇形症候群分野エマヌエル症候群(平成23年度)

えまぬえるしょうこうぐん
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1. 概要

エマヌエル症候群は特異顔貌、口蓋裂、小顎症、先天性心疾患、精神運動発達遅滞を呈する先天性奇形症候群である。染色体転座t(11;22)に由来する22番派生染色体を47本目の染色体として過剰に持つことが本疾患の原因である。近年の分子遺伝学研究の進歩により、本疾患の発生頻度が予想外に高いことがわかってきた。本研究班では、エマヌエル症候群の頻度、臨床症状、自然歴、遺伝などについて検討する。22番過剰派生染色体症候群、11/22混合トリソミーなどと呼ばれていた本疾患になじみやすい名称がついたことで、医療従事者の間での疾患認知度が高まり、患者や家族へのケアが向上することが期待される。

2. 疫学

日本に100家系以上、数100人の患者がいると予想される。

3. 原因

患者の染色体核型は、47, XX or XY, +der(22)t(11;22)(q23;q11)で、11q23より遠位側と22q11より近位側の混合トリソミーである。両親のどちらかが均衡型染色体転座t(11;22)(q23;q11)の無症状保因者であり、患者の過剰染色体der(22)は、親の配偶子形成時の第1減数分裂における3:1分離により過剰となる。染色体転座t(11;22)(q23;q11)自体は、11q23と22q11にあるpalindromic AT-rich repeatsが精子形成時に十字架型の2次構造をとることで、染色体DNAが切断され、誤ってつなぎかわることにより発生する。

4. 症状

染色体異常による先天性奇形症候群である。特異顔貌(小頭症、耳前の小孔や小突起、眼裂斜上など)、口蓋裂、小下顎(ピエールロバン連鎖)、先天性心疾患(心室中隔欠損、心房中隔欠損、動脈間開存など)、精神運動発達遅延である。子宮内発育不全があり、出生体重はやや小さい。新生児期の呼吸障害、筋緊張低下、哺乳困難の頻度が高く、その後も体重増加不良を呈する。精神運動発達遅延が必発で、多くのマイルストーンは遅れる。先天性股関節脱臼の頻度が高いこともあり、処女歩行も遅れるが、多くは最終的には補助にて歩行が可能である。ある程度の言語は理解可能だが、発語は非常に少ない。

5. 合併症

繰り返す感染症、とくに中耳炎、それに伴う聴力障害、視力障害、難治性けいれんなどがある。

6. 治療法

現時点では対症療法のみである。

7. 研究班

エマヌエル症候群の疾患頻度とその自然歴の実態調査班