その他分野|反復胞状奇胎(平成23年度)

はんぷくほうじょうきたい
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1. 概要

全胞状奇胎は、雄核発生(父ゲノムのみを持つ二倍体)から発生する。ところが、反復する胞状奇胎症例では、1)正常二倍体、2)DNAメチル化異常、3)母体のNALP7遺伝子変異、等が存在し、通常の全胞状奇胎とは極めて異なる病因および病態を有している事が、海外症例の研究から明らかになりつつある。本邦症例の解析例は報告されていない。

2. 疫学

不明(過去の施設報告等から、本邦の全奇胎反復率はおよそ5%弱とされており、年間50例前後の反復例が存在すると推測される。)

3. 原因

海外の報告では、母体NALP7遺伝子変異との関連が報告されている。

4. 症状

反復する胞状奇胎の他、特異な症状の有無は未だ検討されていない。

5. 合併症

通常の全胞状奇胎と区別されずに取り扱われており、合併症の特徴や頻度は未だ検討されていない。通常の全胞状奇胎とは全く異なる病因・病態を有するため、長期予後を含めた検討が必要と考えられる。

6. 治療法

現状は通常の全胞状奇胎と区別されずに診断と治療が行われている。明確な分子診断法が確立し、合併症や予後が明らかとなれば、より適切な治療法の選択が可能となる。

7. 研究班

「本邦における反復胞状奇胎症例の実態把握と確定診断法の開発」研究班