■概念 |
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全身性強皮症は皮膚や内臓が硬くなる変化(硬化(※)という)を特徴とし、慢性に経過する疾患である。しかし、硬化の程度、進行などについては患者によって様々である点に注意が必要である。この観点から、全身性強皮症を大きく2つに分ける分類が国際的に広く用いられている。つまり、典型的な症状を示す「びまん型全身性強皮症」と比較的軽症型の「限局型全身性強皮症」に分けられている。前者は発症より5~6年以内は進行することが多いが、後者の軽症型では進行はほとんどないか、あるいは緩徐である。なお、「限局性強皮症(※)」は皮膚のみに硬化が起こる全く別の病気であり、前述の「限局型全身性強皮症」とは全く異なるものである。 |
■疫学 |
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本邦での全身性強皮症患者は6,000人以上いると推定されている。 |
■病因 |
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全身性強皮症では3つの異常が病因と深く関連していると考えられている。(1)線維芽細胞の活性化(その結果、膠原線維が多量に産生され、皮膚や内臓の硬化が生じる)、(2)血管障害(その結果、レイノー症状や指尖部の潰瘍などが生じる)、(3)免疫異常(その結果、自己抗体が産生される)。 |
■症状 |
1. レイノー症状 |
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冷たいものに触れると手指が蒼白~紫色になる症状で、初発症状として最も多い(80%以上)。 |
2. 皮膚硬化 |
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皮膚硬化は始めは手指の腫れぼったい感じからはじまる。その後、手背、前腕、上腕、躯幹と体の中心部分に進む。全例が躯幹まで進行するわけではなく、前述した「びまん型全身性強皮症」では時に躯幹まで硬化が進行するが、「限局型全身性強皮症」では躯幹の硬化はまれである。 |
3. その他の皮膚症状 |
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爪上皮(爪のあま皮)の黒い出血点、指尖部虫、喰状瘢痕(※)、指尖部潰瘍、毛細血管拡張、皮膚の石灰沈着、色素異常などがみられる。 |
4. 肺線維症 |
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肺が硬くなるという、最も重要な合併症である。ひどくなると空咳や呼吸困難が生じ、酸素吸入を必要とすることもある。前述した「びまん型全身性強皮症」で比較的多く見られる。 |
5. 強皮症腎クリーゼ(※) |
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腎臓の血管に障害が起こり、その結果高血圧が生じるものである。現在はACE阻害薬という特効薬があるが、やはり早期診断・早期治療が大切である。 |
6. 逆流性食道炎(※) |
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食道下部が硬くなり、その結果胃酸が食道に逆流して起こるもので、症状としては胸焼け、胸のつかえ、逆流感などが生じる。 |
7. 自己抗体 |
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自己抗体とは自分の体に向けられた抗体、いわばミサイルのようなものであり、これによって自分の体が傷んで、硬化が生じると想像されている。全身性強皮症では抗セントロメア抗体(※)、抗トポイソメラーゼI(Scl-70)抗体(※)、抗U1RNP抗体(※)、抗RNAポリメラーゼ抗体(※)などが検出される。これら自己抗体は診断のみならず、病気の重さとも相関するため重要である。つまり、前述した「びまん型全身性強皮症」では抗トポイソメラーゼI(Scl-70)抗体や抗RNAポリメラーゼ抗体が検出され、一方「限局型全身性強皮症」では抗セントロメア抗体が陽性となる。 |
8. その他の症状 |
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手指の屈曲拘縮、肺高血圧症、心外膜炎、不整脈、関節痛、筋炎、偽性イレウス、吸収不良、便秘、下痢、右心不全などが起こることがある。 |
■治療 |
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現在のところ、全身性強皮症を完全によくする薬剤はないが、ある程度の効果を期待できる治療法は開発されつつある。代表例として、(1)ステロイド少量内服(皮膚硬化に対して)、(2)シクロホスファミド(肺線維症に対して)、(3)プロトンポンプ阻害剤(逆流性食道炎に対して)、(4)プロスタサイクリン(血管病変に対して)、(5)ACE阻害剤(強皮症腎クリーゼに対して)、(6)エンドセリン受容体拮抗剤(肺高血圧症に対して)などが挙げられる。 現在、研究班では全国の患者さんができるだけ早期に、最も効果が期待できる治療が受けられるように、内臓各臓器ごとの重症度分類を作成し、その重症度に従って最も適切と考える治療の選択肢を示した治療指針試案(強皮症研究会議のホームページに掲載)を公表している。 |
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※印に関する詳しい内容を参照する(PDFファイル) |
強皮症に関する調査研究班から |
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この疾患に関する関連リンク |
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強皮症(公費対象)
きょうひしょう
| 研究班名 | 皮膚・結合組織疾患調査研究班(強皮症) |
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| 情報見直し日 | 平成23年6月22日 |





