メニュー


HOME >> 難治性疾患研究班情報(研究奨励分野) >> 難治頻回部分発作重積型急性脳炎(平成23年度)

神経系疾患分野難治頻回部分発作重積型急性脳炎(平成23年度)

なんちせいひんかいぶぶんほっさじゅうせきがたきゅうせいのうえん
研究班名簿 一覧へ戻る

1. 概要

難治頻回部分発作重積型急性脳炎 acute encephalitis with refractory, repetitive partial seizures (AERRPS) は極めて難治かつ頻回の部分発作を特徴とする原因不明の脳炎である。我が国で最初に確立された疾患概念であり、従来は「特異な脳炎・脳症後てんかんの一群(粟屋、福山)」の名称が用いられてきた。長期間にわたりけいれんが持続して重篤な状態が持続するため人工呼吸管理を含めた集中治療が長期に及び、また神経学的予後も不良であるため、医学的のみならず社会的見地からも重視すべき疾患である。

2. 疫学

発症率は不明であるが、現在までに国内外で100例以上が確認されており、疾患に対する認知の高まりにより報告数は増えると予想される。発症に男女差はなく、発症年齢は小児期全般に及ぶが幼児期から学童期にピークがある。

3. 原因

今までのところ明らかにされていないが、辺縁系脳炎や嗜眠性脳炎との類似性から自己免疫学的機序が推定されている。

4. 症状

発熱に伴いけいれんで発症する。けいれんの頻度は徐々に増加して1-2週間でピークに達し、群発型けいれん重積の状態に至る。けいれんの発作型は眼球偏位や顔面間代が多く、個々のけいれんの持続は短いが、急性期には5-15分間隔で規則的に反復する。他に意識障害、精神症状、不随意運動などを伴うことがある。ピークを過ぎるとけいれんの頻度は徐々に低下するが、消失することなく難治な脳炎後てんかんに移行する。後遺症として高率に知的障害を残し、重症例では痙性四肢麻痺など最重度の運動障害を残す。

5. 合併症

疾患自体の合併症は知られていないが、長期にわたり抗てんかん薬の持続静注を行うことにより呼吸循環抑制、無気肺、血栓症、敗血症等が問題となる。

6. 治療法

けいれん抑制のため抗てんかん薬が用いられるが、けいれんは極めて難治で通常の抗てんかん薬に不応性である。急性期にはバルビタール製剤の大量持続静注により脳波をバーストサプレッションの状態に保つ必要があり、人工呼吸管理や昇圧剤の投与を要する場合が多い。急性期以降はフェノバルビタール、ゾニサミド、臭化カリウム等の薬剤に反応する例がある。免疫抑制療法の効果は不明である。

7. 研究班

「難治頻回部分発作重積型急性脳炎の病態解明のための包括的研究」班が組織され、臨床情報の収集や原因の解明を進めている。