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アレルギー性肉芽腫性血管炎(チャーグ・ストラウス症候群)

あれるぎーせいにくげしゅせいけっかんえん(ちゃーぐ・すとらうすしょうこうぐん)

■概念・定義

アレルギー性肉芽腫性血管炎(allergic granulomatous angiitis : AGA、別名チャーーグ・ストラウス症候群)は、先行症状として気管支炎喘息やアレルギー性鼻炎がみられ、末梢血好酸球増多を伴って血管炎を生じ、末梢神経炎、紫斑、消化管潰瘍、脳梗塞・脳出血・心筋梗塞・心外膜炎などの臨床症状を呈する疾患である。2013年、疾患名がeosinophilic granulomatosis with polyangiitis(EGPA、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症)と変更された。

■疫学

30~60歳の女性に好発する。男:女 = 4:6でやや女性に多い。我国における年間新規患者数は、約100例と推定されている。年間の医療施設受診者は、約1,800例と推定されている。

■病因

気管支喘息、アレルギー性鼻炎、好酸球増多症を有する症例に発症すること、および、抗好中球細胞質抗体であるMPO-ANCA(抗ミエロぺルオキシダーゼ抗体)が、約50%の症例で検出される事実から、何らかのアレルギー性機序により発症すると考えられる。血管炎の病理所見は、真皮小血管を中心に核塵を伴い、血管周囲の好中球と著明な好酸球浸潤を認める細小血管の肉芽腫性あるいはフィブリノイド変性を伴う壊死性血管炎がみられる。まれに小動脈の壊死性血管炎がみられる。しばしば、血管外肉芽腫形成をきたす。なお、ロイコトリエン受容体拮抗薬使用後に本症が発症することがあるが、明らかな因果関係は証明されていない。

■病態

血中の好酸球増加、好酸球性組織障害因子(ECPなど)の上昇、IgE高値が存在する。血管炎の組織では、好酸球の著明な増加を伴った壊死性血管炎や白血球破壊性血管炎(leukocytoclastic vasculitis)が認められる。時に、血管外に肉芽腫形成が観察される。

■症状

主要臨床症状は、先行する気管支喘息あるいはアレルギー性鼻炎と、血管炎によるものである。発熱、体重減少、末梢神経炎(多発性単神経炎)、筋痛・関節痛、紫斑、胃・腸の消化管出血、肺の網状陰影や小結節状陰影、心筋梗塞や心外膜炎、脳梗塞・脳出血などである。多発性単神経炎は、急性症状が改善してからも遷延することがある。

■診断

(1)先行する気管支喘息あるいはアレルギー性鼻炎、(2)血中の好酸球の増加(1500/μL以上、あるいは白血球数の10%以上)、(3)前項にある血管炎症状を認めることによる。さらに病理組織所見が存在すると確実になる。参考所見として、血沈亢進、血小板増加、IgE高値、血清MPO-ANCA(p-ANCA)陽性などが重要である。

■治療

軽・中等度症例は、プレドニゾロン(PSL)30~40mg/日で治療する。重症例では、PSL60mg/日かパルス療法に加えて、免疫抑制療法(例:シクロホスファミド1mg/kg/日)で治療する。2010年1月20日から治療抵抗性の神経障害に対して高用量ガンマグロブリン静注療法が保険適用された。

■予後

上記の治療により、約90%の症例は6ヵ月以内に寛解に至る。残りの約10%は治療抵抗性であり、ステロイド単独による完全寛解は難しく、寛解・増悪を繰り返す。この内の10%は重篤症例で、重症後遺症を残すか死に至る。寛解例でも、単神経炎による末梢神経症状が遷延する場合や、時に血管炎が再発を来す症例があるので、注意を要する。

難治性血管炎に関する調査研究班から


アレルギー性肉芽腫性血管炎 研究成果(pdf 27KB)

この疾患に関する調査研究の進捗状況につき、主任研究者よりご回答いただいたものを掲載いたします。
情報提供者
研究班名 免疫疾患調査研究班(難治性血管炎)
研究班名簿   
情報更新日平成25年9月13日