びまん性肺疾患に関する調査研究

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1. 研究班の紹介

当研究班には北は北海道・札幌医科大学から南は九州大学まで研究分担者として16名、研究協力者として22名(合計37施設)が加わって頂いている大きな組織です。対象としている疾患は、(1)特発性肺線維症(IPF)を中心とする特発性間質性肺炎 (2)サルコイドーシス (3)びまん性汎細気管支炎・閉塞性細気管支炎 (4)慢性過敏性肺炎などです。

2. これまでの主な研究成果の概要

工藤班、貫和班の12年間で 1) ガイドラインともいえる「特発性間質性肺炎・診断と治療の手引き」(南江堂)を刊行し、2) 世界初となる抗線維化薬ピルフェニドンの治験を成功させ、既に治療薬として世に出した、ということが大きな成果としてあげられます。その他にも、特発性間質性肺炎のWEB登録制のスタート、サルコイドーシスの診断基準の改訂、なども行いました。

3. 研究班としてトピックス的な話題など

1つはきわめて難治な疾患として知られている特発性肺線維症(IPF)を含む特発性間質性肺炎の患者数を、初めてほぼ妥当な形で算出できたことです。この結果、日本には1万5千名程の特発性間質性肺炎の患者さんがおられ、内IPFの方が1万数千人と見積もられました。あと、治療の面での大きなトピックスが何といってもピルフェニドンの発売です。今まで明確に効果がある薬剤がなかったIPFに対して、世界で初めての薬剤であり、大きな期待が寄せられています。この薬剤をどのように使えば最も効果的か、ということについてさらに班として研究を続けています。また、N-アセチルシステインの吸入についても今までの治験をまとめているところです。

サルコイドーシスについても、少なからぬ難治例があり、こういった方々への治療法を鋭意研究しております。