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プリオン病及び遅発性ウィルス感染症に関する調査研究

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1. 研究班の紹介 

当研究班では、プリオン病、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)、進行性多巣性白質脳症(PML)という、いずれも感染因子はわかっているものの、発症機序は解明されておらず、まだ根本的治療法はなく現段階ではほぼ致死的疾患という難病中の難病を扱っています。とくにプリオン病では変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)が牛から感染することが判明し、サーベイランス委員会を組織して本邦における全症例の調査を目指しています。また、そのために多くの研究分担者に参加していただき、さらに各都道府県のプリオン病専門医の皆さんにもご協力いただいているのが特徴です。

2. これまでの主な研究成果の概要

遺伝子検査と髄液検査を高い精度で実施する体制を整え、全国から無料で受け付けています。その折りにサーベイランスの同意を取得することでその悉皆性、迅速性が飛躍的に高まりました。現在、MRIを中心とする画像診断の標準化を進め、同時に難しい所見などの診断相談も開始しました。疫学的・臨床的研究では、本邦で初めての変異型CJDの同定とその所見の解析、硬膜移植後CJDにおける非典型例の頻度や病像の解明、わが国に特有のコドン180番やコドン232番の変異による家族性CJDの病像の解析などの成果をあげています。基礎的な研究でも、ヒト化した遺伝子改変マウスモデルの構築、トレースバック実験による硬膜移植後CJDの非典型例の異常プリオン蛋白型の同定、正常プリオン蛋白の機能も解明、酵母のプリオンによるプリオン現象の解明、抗プリオン薬剤のスクリーニングや開発などで大きな成果をあげています。SSPEでも、疫学調査、麻疹ウイルス遺伝子の変異同定や動物モデルの作製、感受性遺伝子の探索、RNAiによる治療法の開発などで成果があがっており、PMLではJCウイルスのagno蛋白など基礎的解析、神経病理学的探索などで成果があがっています。

3. 研究班としてトピックス的な話題など

・ヒトプリオン病で髄液中の異常プリオン蛋白を直接測定する方法が開発され、これまで病理検査を待たなければならなかった確定診断が臨床的にほぼ可能となりました。
・変異型CJDが国内で感染することはないと思われますが、英国では輸血による感染と保因者の存在が知られており今後とも注意が必要です。
・米国などでタンパク分解酵素に抵抗性ではなく感受性のある異常プリオン蛋白による新しい病型が報告され、プリオン病のスペクトラムはさらに拡大しています。
・SSPEでは、ガイドラインにも在るように早期のリバビリン治療が望ましく、早期診断とともに研究班への連絡をお願いします。
・PMLも致死性と思われていましたが、HIV感染者ではHAARTにより、そうでない場合も抗マラリア薬のメフロキンにて著明な改善と社会復帰が可能となる症例があり、研究班のガイドラインに従って髄液検査で診断を確定し治療を進めることが望まれます。

4. 研究班のホームページ・連絡先

東京医科歯科大学大学院脳神経病態学(神経内科学)分野
〒113-8519    東京都文京区湯島1-5-45
TEL:03-3813-6111(内線7254)    FAX:03-5803-0169
E-mail: prionuro@tmd.ac.jp
ホームページ: http://prion.umin.jp/