副腎ホルモン産生異常に関する調査研究

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副腎は多種のホルモンを分泌する内分泌器官の一つで、中でも副腎皮質からは炎症や電解質・水分調節に関わり、生体にとってはとても重要なステロイドホルモンが産生されます。当研究班では、これら副腎ホルモンの産生異常や作用異常を引き起こす稀少疾患に関して、難治性疾患の対象となっている副腎低形成症(アジソン病)、副腎酵素欠損症、偽性低アルドステロン症、グルココルチコイド抵抗症、原発性アルドステロン症を対象疾患として研究しています。これら疾患の実態把握、病因・病態の解明、さらには新しい診断法・治療法を開発し、診断・治療指針の定期的な改訂を行い、より質の高い医療の提供体制の構築を図り、厚生行政に寄与することを目的として調査研究を行ってきました。さらに、これらの研究の土台となる副腎の発生・分化機構に関連した基礎的な研究も並行して進めているのが当研究班の特徴です。

これまでに稀少副腎疾患について患者数や、診断・治療の現状を把握する目的でアンケート形式による全国疫学調査を実施しています。また、これら稀少疾患に関して診断の手引きや診断指針の作成および改訂、治療指針の作成・改訂作業なども行っています。稀少疾患の病因・病態の解明に関連して新たな遺伝子異常症を世界に先駆けて発見・発表し、新たな疾患概念の確立に寄与してきました。さらに、副腎皮質の再生医療に向けた基礎的研究にも着手しており、これは世界的に見ても独創的な研究と言えます。

先天性副腎低形成症や副腎酵素欠損症などの先天的な疾患については既に多くの原因遺伝子が特定され、確定診断にはとても有用です。そのため、それらの疾患に対する遺伝子診断を国内で体系的に実施できるようなシステム作りについても目指しています。

より詳しい研究内容などについては当研究班のホームページを是非ご覧ください。

研究班URL: http://www.pediatric-world.com/asahikawa/fukujin/