ベーチェット病に関する調査研究

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1. 研究班の紹介

ベーチェット病(以後BD)研究班は、1972年に発足し、特定疾患治療研究対象疾患研究班のなかでも最も長い歴史をもつ研究班で、BDの病因の解析および新しい治療の開発を目的としています。

2. これまでの主な研究成果の概要

BDの診断基準の作成をはじめ、疾患感受性遺伝子HLA B-51、A-26の解析や口腔内S.sanguinisに対する過敏性反応、さらには熱ショック蛋白(HSP)などに対する異常免疫反応などの研究がすすめられ、治療法として、コルヒチン、シクロスポリン、抗TNFα製剤などの治療法が本研究班により確立されています。

現研究班ではこれまでの研究を継続しながら、さらなる進展を目指して、臨床研究として、眼病変、腸管、神経、血管などの各病変別の診療ガイドラインの作成を最重要課題として取り組んでいます。

3. 研究班としてトッピックス的な話題や難病患者・家族に知ってほしい情報

・腸管BDの診療ガイドライン平成21年度案(コンセンサス・ステートメント)を報告しました。
・眼病変診療ガイドラインは来年度公開する予定です。
・神経および血管BDの診療ガイドラインも準備を進めています。
・臨床調査個人票をより効率的な疫学情報が得られるように改定する予定です。これに応じて厚生労働省診断基準も一部改定されます。
・遺伝素因に関して、SNPによるGWASで免疫異常にかかわる2遺伝子が疾患感受性遺伝子として同定されました。
・隔年で開催される国際BD会議が本年度はロンドンで7月8日~10日の予定で開催されます。また、次回の平成24年は横浜で開催される予定です。

4. 参考ホームページ

平成20年度に研究班のホームページを開設し、国内外のBD関連学会のレポートなど新しい医学的情報の提供や専門医の紹介などを掲載しています。さらに,患者の皆さ んからの質問・相談に回答しています。
http://www-user.yokohama-cu.ac.jp/~behcet/index.html

5. その他

ベーチェット病の班会議は年2回開催されますが、患者の皆さんも多く参加されます。次回開催は7月23日に横浜市大医学部で開催される予定です。