1. 膵嚢胞線維症(嚢胞性線維症)とは? |
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膵嚢胞線維症(嚢胞性線維症)は、消化器や呼吸器における塩化物イオン(Cl-)の分泌が遺伝的にうまくいかないために、生まれて間もなくからこれらの臓器の働きが悪くなる病気です。粘っこい分泌液が膵管に詰まるために小さな嚢胞がたくさんできて、膵臓が線維でおおわれるので膵嚢胞線維症と名付けられました。この病気は膵臓だけではなく、肺、消化管、肝臓、精巣、汗腺など全身の臓器の外分泌腺がおかされ多彩な症状を示すので(図1)、最近では嚢胞性線維症と呼ばれています。特に、肺では気道と呼ばれる細い空気の通り道が粘液で塞がり、そこに細菌感染がおきます。肺の感染症はたいへん治りにくく、肺の組織が破壊されるため呼吸障害が徐々に進行し、呼吸不全になります。また、汗腺では塩分の再吸収がうまくいかないため汗が塩辛いのが特徴で、この病気を診断するために最も重要な所見です。 |
2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか |
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2009年に行われた全国調査では、患者数は年間15名程度、10年間で44名程度でした。ただ全国調査で報告された患者さんは重症な人が多いので、診断基準を満たさない症状の軽い患者さんはもっと多い可能性があります。 |
3. この病気はどのような人に多いのですか |
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ほとんどが新生児期、乳児期に発症します。男女差はありません。最近では10歳以降に診断される人も増えてきています。小学生でも咳や痰が続き治りにくい、油の多い食事が食べられないなどの症状が続く時には専門家と相談する必要があります。 |
4. この病気の原因はわかっているのですか |
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第7染色体上にあるCFTR遺伝子と呼ばれる遺伝子の変異(異常)によりおこります。この遺伝子はCFTRというタンパク質(チャネルと呼ばれる塩化物イオンの通り道)の設計図です。CFTR遺伝子に異常があるためにこのタンパク質が作られなかったり、イオンがその中を通れなかったりすると、粘っこい分泌液ができるため全身の外分泌腺の働きが悪くなり、病気がおこります。 |
5. この病気は遺伝するのですか |
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私たちは両親からそれぞれ1つずつ遺伝子をもらいます。この病気は劣性遺伝するので、両方の遺伝子に問題がある時のみ病気になります。つまり1つの遺伝子に異常があるだけ(保因者といいます)では病気になりません。両親が保因者である場合、その子供が病気になる確率は25%、保因者になる確率は50%、全く正常である確率は25%です。日本人では病気をおこすCFTR遺伝子変異の頻度は非常に低いので、仮に結婚相手の家族に患者さんがいたとしても、近親結婚でなければ子供が発症する危険性はかなり低いといえます。 |
6. この病気ではどのような症状がおきますか |
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粘っこい粘液のために生後数日たっても胎便(生まれて最初に出る便)が出ず、おなかが大きく膨らみます。一部の乳児では嘔吐をくり返し、胎便性イレウス(腸閉塞)という状態になり、手術が必要なこともあります。 |
7. この病気にはどのような治療法がありますか |
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胎便による通過障害には水溶性造影剤や粘液溶解剤などを腸の中に入れたり、浣腸をしたりしますが、手術が必要なこともあります。 |
8. この病気はどういう経過をたどるのですか |
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いまのところ、この病気を完全に治すことはできません。かつては呼吸器感染症のため7~8歳で亡くなることが多い病気でした。最近では適切な輸液と栄養管理、呼吸器感染症の対策と治療法の進歩により平均生存期間は約18年と改善してきています。全国疫学調査でも成人に達する患者さんが増えてきています。 |
◆ 第4回膵嚢胞線維症全国疫学調査 |
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「難治性膵疾患に関する調査研究班」では、わが国における膵嚢胞線維症の実態を把握するため、2009年1年間ならびに過去10年間の膵嚢胞線維症患者に関する第4回全国疫学調査を実施しました。年間受療患者は15名、過去10年間の患者数は44名程度と推定されました。これは前回調査(2004年)とほぼ同様の結果でした。 |
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膵嚢胞線維症
すいのうほうせんいしょう
| 研究班名 | 消化器系疾患調査研究班(難治性膵疾患) |
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| 情報更新日 | 平成23年9月4日 |






